宮島(厳島)にて町家通り等の観光研究(前編)
2009/09/12
この絵、誰が描いてどこに飾ってあるかわかりますか?
この、秋な平安時代「宮島三女神物語」を描いているのは、広島県立宮島工業高等学校2008年度インテリア科3年課題研究作品です。若い感覚とデザインセンスで再描画された秋の宮島。こんな絵の描ける学生が周防大島にいたらと思うと、うらやましくてたまりません。学校と観光は、学術的・技術的な産学官連携よりも、若い感官とセンスを、まちづくりや観光に取り入れるという手法の方が、ステキな成果が出そうな気がします。
さて、宮島(厳島)に10年ぶりくらいに行って来ました。子どもたちも、鹿とふれあうのが、ぶち楽しかったようでよかったです。地域にマスコットがいる状態ってこんなにキャッチなんだなあ。その後も印象に残るよなあと改めて宮島の戦略に感心する事ばかりです。
世界文化遺産となった宮島に渡るフェリーは10分毎にあり、ほぼ満員。今日だけで何千人!?という感じでした。平成20年度は343万人の観光客数だという事で、これは周防大島の約90万人とは根本的にちがってフェリーでわたった人の数がきっちり計測できるので、観光戦略を立てるための基礎データがとりやすいなと思います。
ただ、滞在時間は5時間未満が8割を超え、宿泊率は10%を切っているようです。やはりこれからの観光というのは、観光客数を増やすという目標ではなく、平均滞在時間と平均客単価を上げる戦略と目標が必要だと強く感じています。
例え周防大島に年間100万人の観光交流人口があったとしても、宿泊率が10%程度で平均客単価が1,000円では10億円の経済効果しかないんですよね。それよりは、観光交流人口50万人で宿泊率25%、平均客単価5,000円の方が25億円の経済効果があって、自動車の交通量も減るのでCO2輩出が減りエコです。
僕自身が観光事業に取り組む際は、人数だけでなく滞在時間と客単価も入れた目標値をつくりますね。
フェリーに乗船すると船内に観光案内ビデオが流れていて、もちろん外国語対応。まずは近隣都市からの集客が大切ですが、パンフレットやホームページは外国語対応にしててもいいのかなと思います。(その時は、親戚のNさんにお願いしよっと!)
宮島に渡ると、鹿、鹿、鹿だらけ、糞が少し臭うのですが、これも地域アイデンティティ!?かな。杏はけっこう度胸があるのですが、最初は怖々と触っていました。
あれやこれや遊んでいるともう12時前になり、以前から気になっている「伊都岐(いつき)」へランチへGo! iPhoneのGoogleマップを見ながら町家通りを探していたら発見しました!実は、この伊都岐という名前は、厳島神社の大鳥居の神額の神社側から見ると「伊都岐島神社」と書いてあるのです。沖側は「厳島神社」です。オーナーは修道大学の安芸人力組(川名和美先生指導)のOB佐々木恵亮さんです。周防大島でもいつか、こんな感じで町家を活用した若手起業家が増えるような仕掛けをつくりたいなあと思ってます。
ただ残念ながら。。開店時間になっても開く気配がないので今回はあきらめて、妻も子どもたちも気になっていた「和かふぇ はやしや」へ。実はこの店舗は、表参道商店街にある「焼がきのはやし」がオーナーと先ほど気づきました。表参道から町家通りへ進出なのですね。
僕ら家族の他には、三人グループがとなりのテーブルにおられました。(一人は外国人の方です。)ランチセットの穴子寿司もおいしくてオシャレなBGMと和テイストの空間がとても落ち着きました。長居しちゃいました。
町家通りは、ただ古い町並みがあるだけでなく、町家がカフェやギャラリーや旅館に変身していて、時間があれば全部のお店に立寄ってみたくなります。倉敷の美観地区もたしかにいいのですが、完璧で厚化粧な感じがおもしろくなくて、どちらかというと、町家を無理する事なく別の用途で活用している鞆の浦に近いですね。
8月に行われる献燈祭の名残でしょうか。各町家の軒先に飾ってあり屋号等が書かれています。なんだか、こういう演出が雰囲気を醸し出しています。(演出というつもりはないのかもしれません。)旅館の看板も、「旅荘かわぐち」という旅荘という言葉に惹かれます。
後半に続く。