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周防大島の文珠山で自然体験。島だからこそ海や山をしっかり体験する子育て。

GW初日、朝起きると気持ちの良い五月晴れ。テラスから瀬戸内を眺めながら、「こりゃあ、山に登らんともったいない!」という事で、子どもたちと周防大島の文珠山(662.7m)へ登山決定!

朝、海を眺めながら思いつきですぐに山に登れる。これが島暮らしの魅力だなあと感動しています。

文殊堂下にある駐車場までは車で行けるので小さなお子さまのいる家族でも大丈夫です。本日のわが家のチーム編成は、尽(中1)、百花(小3)、蒼央(5歳)、隊長圭司の四人です。杏(中3)は部活、慶子は花屋に出勤。

知恵を授かるため、往復の安全を文殊堂を祈願し出発!文殊堂から標高約250mを片道1.3kmで登りました。5歳の蒼央はけっこう体力があるので、みんなで頂上まで40分くらいで登ることができました。

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子どもたちの会話を聞いていると「緑色の苔は滑りやすいから気をつけてね。」など、優しさに合わせ危険回避の大切さを認識しているのだなあと感心しました。兄弟で力を合わせ頂上を目指すという、協働する力や見えないゴールを達成しようとする開拓者精神も、このような自然体験から育まれるのだと思っています。

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登山道は多少、階段や手すりがやぶれていたり、石がゴロゴロ転がっているので、小さなお子さまがいる場合は気をつけた方がいいと思いますが、宮島の弥山よりもお手軽コースです。

GWということで、子ども連れ家族二組を含み15人くらいの方々と山頂で出会いました。広島のキャリラボに参加してくれた大竹のお母さんとご家族とも山頂で出会い奇遇〜。逆に周防大島の方と会うことはなかったです。地元の方はあまり登らないのかもですね。

朝10:00に自宅を出発し、10:30駐車場から出発し文殊堂〜文珠山〜駐車場〜帰宅12:00。たった2時間で、子どもたちと山登りができる島暮らし。周防大島で子育てができるって素敵だなあ、楽しいなあと改めて感じられました。

 

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少し、教育視点でお話しします。

「子どもの体験活動の実態に関する調査研究(国立青少年教育振興機構・平成22年)」の報告によると、子どもの頃の自然体験や生活体験が豊富な人ほど、最終学歴が「大学や大学院」と回答した割合が高く、現在の年収が高いとなっています。

ちなみに、年収が750万円〜1,000万円以上では、子どもの頃の自然体験や生活体験が多いと答えた層は、少ないと答えた層の約1.5倍います。

今の中学校2年生以降は新大学入試となります。2021年1月に実施予定の新大学入試では、問題発見・解決能力を計るために、複数教科が融合された問題を100文字程度で論述するテストも始まり激変します。理科と社会と国語が融合した問題も出題されます。

子どもの頃、島や田舎で海や山や空での自然体験をたくさん経験する事は、理科につながる実体験を蓄積できます。

数千人〜3万人くらいの小さな町では、議会や行政、まちづくりに対して小中高生が企画・行動し、自分の町に影響を及ぼす体験が、社会の力を育みます。

小規模の学校では、部活のキャプテンやクラス代表、学校代表、弁論大会の代表等になる確率も高くなり、プレゼンテーションする機会も増え言語表現能力、国語の力も高まります。

実はこれからの時代、真の学力を高められる可能性は島にあると思っています。そのための教育課程や地域教育プログラム、家庭教育が重要です。

島でポテンシャルを育む。スポンジのように吸収できる島暮らし。島での子育て最高ですよ〜!

出典:子どもの体験活動の実態に関する調査研究


RESASを活用した地方創生教育で、ふるさとの未来を変える。

RESAS(地域経済分析システム)を活用した地方創生教育で、地域を起こす若者を育みませんか。これまで周防大島町の学校教育で実践して来た事なのですが、やはり間違っていないと勇気をいただける出来事がありました。それは、4月3日(日)に開催された、山口県立周防大島高等学校地域創生科主催の「高校生と学ぶ藻谷浩介氏講演会」と、講演会終了後に石鍋亭で行った藻谷浩介さんを囲む会です。

42万部のベストセラー「里山資本主義」の著者の一人、藻谷浩介さんは講演の冒頭で、「地域活性化とは何か?」について会場に問い、そして明確な定義をされました。その答えは、「人口が減らない地域をつくる」事だと定義されました。「人口が減らないふるさとづくり」とも言えます。周防大島町は、私が2歳の頃(1980年)に約32,000人、現在(2016年)は約17,000人で、36年で半減しています。ではなぜ半減したのか?その大きな要因が、若者をふるさとから都会に向かわせる片道切符型の“教育”をし続けて来たからだと思います。藻谷浩介さんも同様の事を言われていました。

地方創生とは何かと聞かれた時に、私は、ふるさと活性化だと答えます。ふるさとが活性化されるとは「人口が減らないふるさとづくり」だと定義しています。人口が減らないふるさとをつくるために、「同級生が40歳までに5割Uターンするふるさと」にしたいと考え、7年前から周防大島町立東和中学校の総合的な学習の時間で、キャリア教育を担わせていただいています。肌感覚ですが、現在の周防大島町の同級生40歳以下Uターン率は2割程度だと思います。15年後までには、同級生が40歳までに5割Uターンする周防大島にしたい。実現できれば、人口が減らない周防大島になり、地域活性化=地方創生が実現できると考えています。

そのためには、世界と仕事のできる周防大島を目指し、周防大島ならではの“教育”と“産業”が必要です。教育についてですが、文部科学省の学習指導要領(現行)では、子どもたちの「生きる力」をよりいっそう育むことを目指すとあります。変化の激しいこれからの社会を生きるために、「知・徳・体」を育むのが学校教育だと定義されています。

確かな学力 = 知
豊かな心  = 徳
健やかな体 = 体

知・徳・体をバランスよく育てることが大切だと書かれています。これらの定義等を基に、周防大島町内の小中学校でも学校経営目標をつくり、それを達成するための教育課程(授業等)が組まれ実施されています。例えば、周防大島町立大島中学校の学校経営目標は「ふるさとを愛し、自らの未来を切り拓く大中生」となっていまして、「同級生が40歳までに5割Uターンする周防大島に」つながると思っています。そこで私は、周防大島町教育委員会コミュニテイ・スクール スーパーバイザーの立場で、「ALOHA Pride」というネーミングで、平成28年度の大島中学校キャリア教育計画を先生方と協議し立案し運営・実施をさせていただいています。私が担わせてもらっている、この職業は非常に先進的だと思っていまして、教職員ではない、ふるさとの民間人が、公的な立場で、ふるさとを教材とした総合的な学習の時間を学校現場と協働し実施しています。

平成32年の次期学習指導要領の改定により、学校教育の柱は「社会に開かれた教育課程」となる予定なので、3,4年後には“地域カリキュラムマネージャー”のような職業ができるかもしれない、いえ、できたらいいなと思っています。今、日本全国に少しづつ似た方々が増えていますので。「同級生が40歳までに5割Uターンするふるさと」になり、お盆やお正月以外にも三世代家族がいつでも気軽に集まれる。孫のお遊戯会や運動会に毎年行ける。人生最後の瞬間を孫やひ孫と看取ることができる。これらは祖父祖母、そして両親への恩返しだと思っています。もしも、ふるさとを離れ東京で暮らしていたら、これらは叶いにくいのではないでしょうか。

育まれたふるさとで家族と暮らす、極々当たり前の暮らしこそがとても豊かな人生だと感じられるようになりました。そのための学校教育を周防大島からつくる。「当事者意識を持ちふるさとのために動ける起業家教育」が、ふるさとの未来を変えると思っています。共感できる方がいたらお声がけください。

さて最後にお知らせです。地方創生のパートナー中国経済産業局さんが先進的な政策を走らせています。名付けて“地方創生教育”。RESASという地域経済分析システムを活用した、地域を起こす若者を育むための教育カリキュラムです。ご関心ある方は、以下までお問い合わせください。ふるさとの未来を変えるのは、あなたです!

<お問い合わせ先>
中国経済産業局 総務企画部 参事官(企画担当)
所在地:広島県広島市中区上八丁堀6-30
電 話:082-224-5626

中国経済産業局の地方創生教育(チラシPDF)
RESAS×地方創生教育_2016をダウンロード

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